天青石の欠片

カレンダー

06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

コレピク

最近の記事

カテゴリー

プロフィール

ヒロ

  • Author:ヒロ
  • まったりのろのろ

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

スポンサーサイト

--.--.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遠い世界の物語3

2005.08.27 遠い世界の物語
ある晴れた日のことです。
神殿の前に、10名程の兵に守られるようにして一人の男が現れました。

鮮血を固めて櫛で梳いたような真っ赤な髪。その美しい髪は陽の光に照らされると炎のようにキラキラと輝きます。
強い意志を宿したその瞳は黄金に輝き、目が合えば心を見透かされてしまいそうな、尊く気高い色をしておりました。

その男は、一国の主でした。

男がひとたび戦場へ赴けば、必ず勝利をもたらすと云われており、戦場を駆け抜ける姿はまるで紅蓮の炎が周りにあるものを全て薙ぎ払い焼き尽くしていく様を見ているようで、とても勇猛で雄雄しく、同時に恐ろしくもありました。
「この男はいつか本能に抗えず、内から国を滅ぼす」とまで噂されておりました。

けれど、それも今となっては昔のことです。

民の信頼厚く、民のために善政を布き、かつては荒れ果てていたその国は男の手によって見る見るうちに豊かになりました。


しばらくして、政務にも心にも少しの余裕ができた頃、ふと、男は「神殿の巫女に逢って話をしたい」と言い出したのです。
巫女に面会できる者はごく少数に限られていましたが、男は王という立場であったため、その少数の内の一人になる事ができました。


男は神殿の外に兵を待機させ、胸元に神殿の入殿許可紋章の彫られた石を下げ、神殿の中央に座す巫女にゆっくりと近づきました。


「…お待ちしておりました」

ちょこんと座っていた巫女の口から白のベールを通して、小さな鈴の音のような声が零れます。霞んでいてもわかるその可愛らしい顔はゆるやかな笑みを湛えて、綺麗な青の瞳が男を見つめています。

「遠いところをわざわざお越し頂き、大変嬉しく思います。何もありませんが、どうぞごゆるりと…」


男は、自分の胸が少し高鳴っていることに気づきました。
その原因が巫女に対する興味からなのか、巫女に恋をしてしまったからなのか、男にはまだわかりませんでした。
スポンサーサイト
コメント0
トラックバック0
= Comment =
  • Name 
  • Mail 
  • Url 
  • Text
  • Pass 
  •  Secret

= Trackback =
Trackback Url
http://celestite.blog6.fc2.com/tb.php/7-7b7a1be6
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。