天青石の欠片

カレンダー

05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

コレピク

最近の記事

カテゴリー

プロフィール

ヒロ

  • Author:ヒロ
  • まったりのろのろ

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

スポンサーサイト

--.--.-- スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

遠い世界の物語6

2007.05.18 遠い世界の物語
今は巨大な樹がそびえ立つかつての神殿に、人影が一つありました。

真っ白なその人は、樹の幹をそっと一撫でして、霞のように消えてしまいました。

何故神殿が崩壊したのか、誰も本当のことを知りません。
長い長い時を経て、歴史に埋もれ忘れ去られた樹の、そこに根付く理由を、誰も知る由がありません。

唯一人

かつて神と呼ばれた、白銀の魔法使いを除いては――――……。




fin.
スポンサーサイト
コメント0
トラックバック0

遠い世界の物語5

2007.05.18 遠い世界の物語
告白から幾日か経ち再び男が神殿に訪れました。
コメント0
トラックバック0

遠い世界の物語4

2007.02.22 遠い世界の物語
それから男は月に二、三度巫女の元へ訪れるようになりました。男は巫女が外の世界を知らないことを知ると、国一の絵師に国の風景や名所を描かせて巫女に見せ、自分が見てきた美しい景色や国の人々、民話や童話を話しました。巫女は大変喜び、いつも男の話を楽しみにしていました。
そうしていく内に二人は互いにひかれあうようになりました。
巫女が微笑むと男の頬が朱に染まり、男が巫女の細い手にそっと触れれば巫女の胸は甘い痺れに満たされました。

ある日男は意を決して巫女に愛を伝えました。
男の愛は一途でそして情熱的な彼らしい言葉で巫女の心へ伝えられました。
巫女はとても嬉しくなりましたが、自分の想いを男に告げることはできませんでした。

巫女は世界を想い世界の安定を神に祈り続けなければならない存在故に世界以外を強く想う事は許されないのです。

男は返事を急かす事無くその日は神殿を後にしました。
巫女はとてもとても悩みました。胸の辺りがもやもやとしたものでかき回されているようでした。
使命としての愛と一人の人間としての愛の狭間で巫女の心は悲鳴を上げ瞳からは涙が溢れています。
そうして巫女の心が押し潰されそうになった時、ふわりと甘い花の香が巫女を優しく包み込みました。
覚えのあるその香りを辿るように振り返れば、髪も瞳も肌も服も白く美しい人間が数歩間をあけて巫女を見つめています。

魔法使いと呼ばれるその白い人間は、巫女が神殿へ連れてこられた時から時々ふらりと外にいる守りの神官の手を擦り抜けて巫女の元を訪れてはただ何をするでもなく巫女の傍で巫女の話相手になってくれていたのです。

魔法使いは泣いている巫女の傍に寄り何故泣いているのか静かに問いました。巫女は小さな頃からの知り合いであるこの魔法使いのことを何でも話せる相手と慕っていたので、今の己の気持ちを魔法使いに全て話しました。
全てを聞いた魔法使いは宥めるようにゆっくりと巫女の背を撫で、己の望む道を進んでいいのだと囁きました。
けれどそうすれば世界が滅びます。巫女が言えば魔法使いは小さく微笑んで、私を信じなさいと告げ巫女の元を去って行きました。

一人残された巫女を、白い月の光が青の硝子天井を通して彼女を青白く照らし出していました。
コメント0
トラックバック0

遠い世界の物語3

2005.08.27 遠い世界の物語
ある晴れた日のことです。
神殿の前に、10名程の兵に守られるようにして一人の男が現れました。

鮮血を固めて櫛で梳いたような真っ赤な髪。その美しい髪は陽の光に照らされると炎のようにキラキラと輝きます。
強い意志を宿したその瞳は黄金に輝き、目が合えば心を見透かされてしまいそうな、尊く気高い色をしておりました。

その男は、一国の主でした。

男がひとたび戦場へ赴けば、必ず勝利をもたらすと云われており、戦場を駆け抜ける姿はまるで紅蓮の炎が周りにあるものを全て薙ぎ払い焼き尽くしていく様を見ているようで、とても勇猛で雄雄しく、同時に恐ろしくもありました。
「この男はいつか本能に抗えず、内から国を滅ぼす」とまで噂されておりました。

けれど、それも今となっては昔のことです。

民の信頼厚く、民のために善政を布き、かつては荒れ果てていたその国は男の手によって見る見るうちに豊かになりました。


しばらくして、政務にも心にも少しの余裕ができた頃、ふと、男は「神殿の巫女に逢って話をしたい」と言い出したのです。
巫女に面会できる者はごく少数に限られていましたが、男は王という立場であったため、その少数の内の一人になる事ができました。


男は神殿の外に兵を待機させ、胸元に神殿の入殿許可紋章の彫られた石を下げ、神殿の中央に座す巫女にゆっくりと近づきました。


「…お待ちしておりました」

ちょこんと座っていた巫女の口から白のベールを通して、小さな鈴の音のような声が零れます。霞んでいてもわかるその可愛らしい顔はゆるやかな笑みを湛えて、綺麗な青の瞳が男を見つめています。

「遠いところをわざわざお越し頂き、大変嬉しく思います。何もありませんが、どうぞごゆるりと…」


男は、自分の胸が少し高鳴っていることに気づきました。
その原因が巫女に対する興味からなのか、巫女に恋をしてしまったからなのか、男にはまだわかりませんでした。
コメント0
トラックバック0
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。